『乱れ描き文晁』について
『コミック乱』2006年2月号掲載。 雑誌が発売されたのは2005/12/27。まだ売ってると思います。
以下、ネタバレ有り自作言及です。
西洋銅版画
トレス。トレス元は『日本洋風画史展 図録』から。オリジナルの作者・制作年は不詳。
トレス元の図版が小さかったのでハッチングの向きや方向は自分の感覚まかせ。
わりかし良く描けたと思います。……空以外は。
空のグラデーションをPC処理で4階調にして、 それをトレスしたらオリジナルと似ても似つかない空になってしまいました。 (オリジナルは同心円を描くように中心が明るく外側が暗くなるように階調が変化)
小ネタ
今回唯一の小ネタ。発禁・焚書されているのはインテリジェントデザイン論の本と、 空飛ぶスパゲッティ・モンスター教の絵。
参考
- インテリジェントデザイン(ja.wikipedia.org)
- 空飛ぶスパゲッティ・モンスター教(ja.wikipedia.org)
昭和ギャグ
自分、昭和なギャグ演出とか平気っスから。自分、プリミティブっスから。ソリッドっスから。 マジでギャグマンガ1.0でガチバリいけてるっスから。
『万年橋大橋両国橋勝景』
亜欧堂田善の銅版画。トレス。トレス元↓
http://www.db.fks.ed.jp/txt/20011.001/image/00007_02.jpg
この画像をそのまま使ってもよかったのですが、 ちょっとノイズが多くて古びた感じあったので、 ノイズをいちいち修正するくらいなら‥‥とトレス。 あんまり上手にトレスできませんでした。
ちなみに亜欧堂田善についての解説のコマの背景はトレスではなく「医範提綱内象銅版図」
http://www.db.fks.ed.jp/txt/20011.001/image/00037_04.jpg
を加工したもの。
図版以外にも、 ふくしま教育情報データベース内の、 『亜欧堂田善作品集』 は大変参考にさせていただきました。
で、いくつか文献を当たってみましたが、 どう考えても『万年橋大橋両国橋勝景』は『乱れ描き文晁』の舞台よりももっと晩年、 江戸に移り住んでからの作品としか思えないわけです。
とりあえず、物語のためなら史実を曲げる場合もある、という姿勢で描いております。 誰もが知ってるような史実を無視するような極端なことはやらないけれど、 ノンフィクションを描いているわけじゃないので‥‥という姿勢です。 ご了承のほどを。
あと、私、現時点(2005/01/03)で『風雲児たち』の潮版の14巻~16巻を持ってないんですね。 ワイド版も買ってなくて。つまり読んでないわけでして。
「亜欧堂田善について、触れてないわけないよなぁ」
と怖れつつ今回のマンガを描きました。
やっぱり、触れているみたいですね。近いうちにワイド版買います。
どんな感じで描かれていたのだろうと、楽しみ、かつネタ被りに怯えてます。